2014-2015 マシン開発試行錯誤
「やはりどうにもならんな……付け焼き刃の改良では」
―新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA ROUND1より、菅生修
2014年の公式戦用に組んだアスチュート MY14(以下、MY14)。経験不足が顕著に出た大敗という結果となったこのマシンの反省から新しく2015年に向けたマシンとして開発中なのがAvante RC101(以下、RC101)です。RC101ではMY14で課題となった重量、パーツ問題をクリアし、速さと安定性を向上させつつ、万が一の場合にパーツが交換できるマシンに仕上げることが目標となります。
MY14では中身の伴わない、外見だけを気にしたセッティング、経験不足からくる『組み』の甘さ、そしてパーツ点数の多さとマスダンパーによる重量増により勝てるマシンとは言えませんでした。JC2014の最終大会となった東京大会4でようやくひとつのカタチになったものの、それは勝てるマシンではなく、完走するだけのマシンでした。
そして何より、このマシンはいくつかのパーツに予備がなく、壊れたらそこで終了となる、今にして思えばレースを舐めたマシンだったと言えるでしょうね。
RC101では、MY14を運用した中で蓄積された経験、反省を基に以下の項目を念頭に置いた開発を目指すことになりました。
・マシン重量の軽減
・予備パーツが用意しやすいマシンであること
・『姿勢づくりのブレーキ』を会得する
ひとつ目とふたつ目は、MY14で解決出来なかった大きな問題でした。重ければ加速に影響し、予備パーツがなければ修理ができない。これはレースマシンとして致命的と言えます。これを解決することで、より『戦えるマシン』を目指すことになります。
そして、最後の項目ですが、これはJC2014チャンピオン決定戦を見て思ったことですが、速いレーサーのマシンはブレーキが『上手い』な、と。ただ単に減速するだけなら、レギュギリギリの位置に黒か灰ブレーキをセットすれば(他に問題がなければ)可能です。ですが、それだと一時的に停止したような挙動になってしまいます(酷いと、バンクで張り付く形で停止したり)。ですが、トップレベルのレースを見ているとそんなマシンはほとんど無いように思えます。減速はしているのですが、滑らかに減速させているというか……次のセクションに向けて姿勢づくりをしているかのような。ラリーにおける左足ブレーキみたいな、そういうブレーキのかけ方に見えたわけです。それを、どうにか会得したいな、と。
そういったことを考えつつ、RC101を組みました。
現状での個人的な評価としては、軽量化によりマシンの動きが以前に比べるとキビキビしているかな、と。以前ならスプリントやPDを使ってようやく届いた速度域をそこそこのモーター(HD3)で再現できそうな勢いを感じつつ、それでいて走り方は以前に比べると綺麗かな? という印象です。ただ、重量やバランスが変わったことで、DB等のジャンプセクションでの姿勢は勢いがありすぎて注意が必要かもしれません。
あとは、シャーシ側に結構手を入れたので、その成果と耐久性についてはもう少し走らせないと見えてこないかな、と思います。自分にしては結構、思い切った加工なので、正直なところ読めない部分は多いです。次のレースまであまり時間がないのにそういう改造をするのはリスクが大きいとは思いますが、来年を見据えての実験的なものでもあるので。
現状では、ドリムのようなオリジナルセクションが無い状態ではそれなりの走りが出来そうな状態にはなっているので、これを上手く詰めていけたら……オータムはともかく、来年へ向けて公式戦への不安が軽減できるのではないかと、期待しています。